QCM簡易発振回路を使用した水晶センサの温度特性について
・以下の測定条件にて恒温槽内にQCMセンサをセットした簡易IC発振回路を設置して周波数の温度依存性を測定時他実測データです。
・温度範囲 : -40〜+85℃の間で5℃ステップ
・電源電圧 :(1) +3.0V (2) +5.0V (3) +7.0V
・センサの状態: 仮留めのキャップをした状態で気相に晒す
・センサの種類 : 9MHz/エッチングタイプの標準品
(1)+3.0V での測定 * 縦軸 = 周波数偏差:単位ppm/横軸:温度 ( ℃ )
(2)+5.0V での測定 * 縦軸 = 周波数偏差:単位ppm/横軸:温度 ( ℃ )
(3)+7.0V での測定 * 縦軸 = 周波数偏差:単位ppm/横軸:温度 ( ℃ )
≪解説≫
上記の3点の測定において供給電圧以外の諸条件は全く同じです(測定試料も全て同じ)。供給電圧を変える事により水晶センサ(振動子)にかかるドライブレベルが変わります。ドライブレベルの変化が多少なり温度特性に影響を与えているのがお分かり頂けると思います。一点データ内で測定上の問題の部分としてグラフ中のピンク色と青色の資料の温度特性が少し歪んだ形になっていますが、これは吸湿の影響の可能性が思われます。水晶センサ及び回路部分が一定の温度に保たれていれば温度特性を考慮する必要はなくなるため、より正確な測定を行うためには温度管理を厳密に一定に保つことが重要になります。 上記のテストで使用した振動子は9MHzのATカットのものでATカットの特徴である3次曲線のカーブがそのまま表れています。通常の1MHz以上の水晶振動子は一部を除いてATカットのものが大半を占めます。QCMセンサもATカットが広く用いられています。