負荷容量
(1) 常温周波数偏差 - Tolerance -
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指定の発振周波数に対する実際の周波数の偏差の規格。 具体的には +25℃±3℃などでの負荷容量込みの発振周波数の偏差。 規格値は 『±・・・ppm 以内@+25℃±3℃ 』と"ppm"で表します。 ※ ppm --- 100万分の1の意味。 例えば10MHz ( = 10*1,000,000 Hz ) の 1ppm は 10Hz。
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(2) 周波数温度特性 - Temperature Stability -
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+25℃の値を基準とし 動作温度範囲 内 での周波数変化の最大値の規格。 『±・・・ppm以内 +25℃の値に対して』などと表します。 通常のMHz帯ATカット水晶振動子は 3次曲線の特性になります。 時計用の32.768kHz などXTカットの水晶振動子はATカット水晶振動子とは異なり 2次曲線の特性になります( 参考) 。
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(3) 動作温度範囲 - Operating Temperature -
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(2)の周波数温度特性、及びその他の電気的特性を満たす温度範囲 。 -10〜+60℃、 -20〜+70℃、-40〜+85℃、など。
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(4) 動作可能温度範囲 - Operable Temperature -
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(2)の温度特性は満たさない可能性があるが その他の電気的特性は満たす温度範囲 。 -40〜+85℃ など。ただし、高温や低温で水晶振動子ではなく発振回路側 に何らかの不具合が生じる場合には 水晶振動子の特性に関わらず動作出来なく なるので注意が必要です 。
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(5) 保存温度範囲 - Storage Temperature -
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動作は保証しないがその温度での非動作放置にて性能劣化が起きない温度範囲。 -40〜+85℃など。 ※ ただし規格値ぎりぎりでの状態が続くと性能変化が大きくなる場合があります。 ( 特に高温側にてエージングが加速的に進んでしまうなど) 。 厳しい条件にさらされる場合は事前に製造業者との打ち合わせが必要です。
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(6) 負荷容量 ( CL ) - Load Capacitance -
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時々インバーター発振回路 などのコンデンサ値と混同されますが、実際は 水晶振動子側から見た回路全体の等価直列静電容量値になります。 通常は基本波の場合は 12pF や 16pF など。 『負荷容量=16pF』の水晶振動子は、水晶振動子から見た回路側の 合成容量が『16pF』 の時に常温偏差の規格内の値になります。
→ 負荷容量を計算してみましょう
※ 負荷容量 ( CL ) の目安の計算式は、基板の浮遊容量 (ストレ容量)を Czとすると、
CL = {(C1*C2) / (C1+C2 )} +Cz
浮遊容量:Cz は回路により異なりますが、目安として3〜10pF の間になります。 机上の計算では、Cz=5pFなどとし、概略の回路常数 を計算します。 負荷容量(CL)=16pFの場合は、上の式から
16 = ( C/2 ) + 5 ∴ C1=22pF ( =C2)
になります。最終的には実際回路で確認を行います。
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(7) 並列容量 ( Co ) - Shunt Capacitance -
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水晶振動子の端子間の静電容量値 。 この値は水晶振動子内部の設計値に依存します。 LCRメータなどで非動作時に端子間で測定出来ます。 (6)の負荷容量とは全く違うパラメーターなので混同しないようご留意下さい。 『Co:7pF以下』など通常は最大値で規定されます。 一般のクロックの用途では無視して良いパラメーターです。 可変幅を調整したい場合など特殊な用途の場合で規定する場合があります。 詳細はお問い合わせ下さい。
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(8) 直列容量 (C1) -Motional Capacitance-
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水晶振動子が共振状態にある際の直列容量値。 これはLCRメーターでは測定は出来ず、ネットワークアナライザで測定されます。 特殊なVCXO用途などの場合は可変幅に影響する重要なパラメータ―ですが、 一般のクロック用途の場合は無視して良いパラメーターです。
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(9) 励振レベル( DL ) - Drive Level -
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水晶振動子に流れる規定の電流値の規格。 50μW、0.1mW、1.0mW など。 仕様で定義されている値は、主に水晶振動子の出荷検査を行う際に振動子に 印加するドライブレベル値になります。 ドライブレベルが高すぎると異常発振などの原因になる恐れがあります。 実際回路上でのドライブレベルの測定には電流プローブとオシロスコープなどを 用いで測定します。 ※ 回路マッチングテストのページもご参照下さい。
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(10) 等価直列抵抗値 ( CI または ESR ) - Crystal Impedanse - - Equvalent Series Resistance-
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直列共振周波数における等価抵抗値。 一般に水晶振動子の抵抗値とはこの値を指します。 これもマルチメーターでは測定は出来ずネットワークアナライザなどで測定されます。 この値は主に水晶振動子の大きさや周波数により物理的に実力値が決定されます。 形状が小さいほどこの値は大きくなる傾向にあります。 また通常は周波数が高いほど小さくなります ( 基本波の場合 ) 。 50Ω以下、30Ω以下 などと規格値としては最大値で表現されます。 発振回路設計時に発振起動の余裕度を見るために欠かせないパラメーターです。
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(11) 周波数経年変化 - Aging
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経時で変化する周波数の変化量の規格。 ±3ppm以内/初年度、±5ppm以内/初年度 など。 経年変化は一般的に初年度が最も大きく2年目以降は小さくなる傾向です。 周波数カウンタのリファレンスなど周波数基準系では重要な部分ですが、ppmで一桁 の変動のため、一般のクロック用途ではあまり重要ではないパラメーターです。
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< 水晶振動子の回路マッチング調査について >
量産数量の見込まれる案件の場合は回路マッチング調査をお受けしています。
調査内容は @ 最適な回路常数及び負荷容量 A 発振余裕度 B 励振電流 です。
お客様には以下をご用意頂きます。
(1) 実際回路基板 ( 水晶振動子は搭載する必要はありません )
(2) 電源投入部分と投入電圧のご指示
(3) 発振回路周辺の回路図 ( 回路常数が分かるもの )
マッチング調査の際には基板等をお預りしてからご回答まで2週間程度お時間を頂いています。
テスト終了後には基板等は全て返却いたします。
→ 回路マッチングテストについて