簡単な技術資料
INDEX
標準的なインバーター水晶発振回路
発振余裕度(負性抵抗)の確認
負荷容量 と負性抵抗の関係
負荷容量と周波数の関係
基板上での周波数測定について
時計用水晶振動子の温度特性
SPXOの温度特性
水晶振動子・仕様の用語の簡単な解説

〜 負荷容量・周波数帯 と 負性抵抗(発振余裕度)の関係 〜

・測定試料 --- HC-49U/S / 10.000MHz , 20.000MHz , 25.000MHz , 32.000MHz ( 全て基本波で4波 ) 。
・測定回路--- 下図のCMOS発振回路にて。 ICは74HCU04系。テストではRd = 0Ω(無し)で行いました。
・下表の説明 ---
それぞれの負荷容量・周波数での負性抵抗(発振余裕度)の実測値です。

CMOSインバータを用いた水晶発振回路


上記の固定回路で、C1/C2値のみを変化させ各周波数の振動子を取り付けて負性抵抗値を実際に測定した結果)


(注) 負性抵抗の値は主に使用するICの周波数特性により変わってきます。
以下の値はテストに利用したIC での実測結果です。
負荷容量(水晶振動子の) 10.000MHz 20.000 MHz 25.000 MHz 32.000 MHz
10 pF 2,700 Ω 810 Ω 430 Ω 210 Ω
12 pF 2,200 Ω 633 Ω 374 Ω 195 Ω
14 pF 1,870 Ω 464 Ω 260 Ω 135 Ω
16 pF 1,420 Ω 394 Ω 224 Ω 116 Ω
18 pF 1,312 Ω 350 Ω 184 Ω 98 Ω
20 pF 1,050 Ω 264 Ω 149 Ω 74 Ω
22 pF 930 Ω 218 Ω 116 Ω 53 Ω
24 pF 655 Ω 154 Ω 77 Ω 34 Ω
26 pF 604 Ω 141 Ω 70 Ω 30 Ω
28 pF 556 Ω 128 Ω 66 Ω 27 Ω
30 pF 520 Ω 120 Ω 55 Ω 24 Ω

黒字 --- ◎ *オレンジ字 ---- イエローゾーン  *赤字 --- レッドゾーン

↑  ↑  ↑

★ 区分けの基準の値は周波数・パッケージにより異なります。 
  " 等価直列抵抗値の規格値の5倍 " がボーダーラインの目安です。
  (出来れば10倍以上あればなお安全です)
  < HC-49U/S> タイプの各周波数の等価直列抵抗値は以下です。
  
10MHz:45Ω以下、20MHz:30Ω以下、25MHz:30Ω以下、32MHz:30Ω以下
  パッケージサイズが大きくなる HC-49/U などでは抵抗値は小さくなり余裕度が広がります。
  逆に小さくなると抵抗値も大きくなる傾向にあり、余裕度が下がります。
 

< 解説 >

 上記の表を見て頂くと一目瞭然ですが、一般に負荷容量値(水晶振動子側から見た回路容量値)が
大きくなればなるほど、また周波数が高くなればなるほど、負性抵抗値(発振余裕度)は低くなります。
(今回の測定ではボリューム抵抗を用い、またプロービングは負荷の影響を逃れるため水晶端子部分ではなく、
 一段増幅した先 = ページトップの図の右端から測定しています )

 この回路で一番条件の悪い < 32MHz/30pF > の部分でも振動子を取り付けると正常に発振起動します。
負性抵抗を確認しなければ、何の問題も無い回路と思ってしまいがちですが、実際は周囲温度の変化や
部品ばらつきなどですぐにでも起動不具合を引き起こす危険な状態である事が分かります。
( 一般に動作熱などで恒温にシフトすると回路容量が増える事があり、負荷容量も僅かですが高くなる場合が
  あります。振動子の抵抗値が規格内であっても余裕が無い場合には停止してしまう恐れがあります。)
周波数変更の際などにも、特に高い周波数への変更の場合などはかなり注意が必要なのがお分かり頂けると思います。

テスト自体は、@回路 A振動子 Bいくつかの値のコンデンサ C電源 Dカウンタ
E オシロスコープ にて行う事が出来ますので、回路設計時には、その回路定数・周波数
での負性抵抗値を確認されることをお薦めします。




(注) このページ内のデータ数値はあくまで目安になるものとしての値を提示しています。このデータをもとに
   弊社の関与しないところで設計等された場合に何らかのトラブルが発生したとしても一切の責任は
   負いかねますので予めご了解ください。


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