水晶振動子の発振回路のマッチングテストについて
★水晶振動子・発振回路マッチングテストについて
※ こちらの弊社の水晶振動子 の量産ご採用時には発振回路とのマッチングテストのご対応をしています。
回路マッチングテストは主に以下の3項目をチェックしてレポートを提出します。
( 回路マッチングテストは有償対応とさせて頂いています )
■ 回路マッチング調査で確認する内容
■ 回路マッチング調査時にご用意頂くもの
■ 回路マッチングが取れていない場合のリスク
※ 他社様の振動子の回路マッチングテストはお受けしておりませんので、ご了承下さい。
(1) 周波数センターの確認
実際の基板上で周波数を測定し、水晶振動子の負荷容量と回路側の容量とのマッチングを取って目的の周波数になる最適なコンデンサの値を決めます。コンデンサが無くマイコンから振動子のみが接続されている場合は最適な負荷容量を求めます。
(2) 負性抵抗(発振余裕度)の確認
負性抵抗(発振余裕度)の確認は下の図面の様に振動子に直列に抵抗を加え徐々に値を大きくして発振が停止する直前の値を確認します。
(発振回路の負性抵抗を確認 )
発振余裕度が不足している回路では試作時に問題無く動作していても高温になると発振停止してしまったり、部品ばらつきにより発振しない基板が出て来てしまったりするため量産時に大きなトラブルになるケースが多く、大事な確認項目です。水晶振動子の等価直列抵抗の規格値(Ω)の5倍以上が必要な発振余裕度の目安です。特に信頼性を求められる機器の場合は10倍以上の値が推奨されます。
(3)ドライブレベルの確認
水晶振動子にかかるドライブレベル(励振電力)を確認します。ドライブレベルが過大の場合は水晶振動子の異常動作につながる恐れがあります。規定値を超えている場合はダンピング抵抗の値などで調整します。
※ 必要に応じてその他の内容の確認も行います。
< 回路のマッチング調査の際にご用意頂くもの>
量産数量の見込まれる案件の場合は回路マッチング調査をお受けしています。
以下が必要になります。
(1) 実際回路基板 ( 水晶振動子は弊社内のサンプルを使用するため搭載する必要はありません )
(2) 電源投入部分と投入電圧のご指示
(3) 発振回路周辺の回路図 ( 回路常数が分かるもの )
マッチング調査の際には基板等をお預りしてからご回答まで2週間程度お時間を頂いています。
テスト終了後には基板等は全て返却いたします。
★水晶振動子と発振回路のマッチングが取れていない場合のリスクについて
@周波数ずれ(センター周波数調整のずれ)
A発振起動不良(発振余裕度不足/出荷後の起動時に動作しない)
B発振停止(発振余裕度不足/周囲温度変化時や経年変化の後などで)
C異常発振(ドライブレベル過剰/周囲温度変化時などでの温度ジャンプ、スプリアス発振)
などの事象が発生してしまう恐れがあります。
@は周波数ずれがシステムの許容範囲内であれば問題はありませんが、ある程度の範囲内へ
おさめるにはマッチングテストが必要です。
ABはシステムが動作しなくなっていまうため何としても避けたい事象です。
Cは大幅に周波数がずれたり位相飛びが起きる場合があります。
このページ内のデータ数値はあくまで目安になるものとしての値を提示しています。このデータをもとに弊社の関与しないところで設計等された場合に何らかのトラブルが発生したとしても一切の責任は 負いかねますので予めご了解ください。