|高安定ディスクリートタイプOCXOガイド|

産業機器向け・高安定OCXOのラインナップ一覧
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高安定タイプOCXOのご使用方法について

(1) 接続回路例

※ ポテンショメータを用いた周波数調整回路接続例 ※ D/Aコンバーターを用いた周波数調整回路接続例

高安定のディスクリートタイプのOCXOには安定した基準電圧を出力する Vref 端子がありますので、
そちらを周波数調整回路の基準電圧として使用します。
ポテンショメータ―を用いる場合には多回転のものを用いることをお勧めします。
DAコンバーターを用いるとソフトウェアからの周波数調整になるためリモートからの調整も
可能になります。

 

※ テスト用の基板設計・はんだ付け不要でテストできる 評価ボード を各種ご用意しています。

・25.4×22.0×12.5mm SMDタイプ
・36.1×27.1×12.0mm DIPタイプ
2種類のD/Aコンバーターを用いたテスト回路基板

・52.0×42.0×19.0mm DIPタイプ 
はんだ付け不要・ソケット取付け
ポテンショメータでの調整基板

(2) OCXOの設置 について

◆ OCXOは熱発部品のため基板上の配置の際には熱分布に気を付ける必要があります。
 発熱の影響が懸念される部品近くへの配置は避けて下さい。
◆ ファンが機器内に設置されている場合は、ファンの風が直接当たらない場所にOCXOを配置してください。
 ファンの風が直接当たると OCXOの安定度が下がる場合があります。
◆ 設置の方向(横向き・縦向き・裏返しなど)はどちらでも構いませんが、可搬機器などの場合には
 運用の途中に向きが変わらないようにご注意下さい。
 途中で向きが変わると G-SENSITIVITY (重力感度)の影響で周波数が E-9レベルで変化します。
◆周辺の温度環境がOCXOの動作温度範囲を超えてしまうと、OCXO内部のヒーターの温度制御がきかなくなり
 仕様値から大幅に外れた周波数になってしまう可能性があります。かならず動作温度上限を超えない温度環境
 にてご使用下さい。

(3) 周波数起動特性 について

起動〜1時間の例 @ 起動〜1時間の例 A(別サンプル)

※ OCXOには起動特性があり、機種により安定するまでの時間やΔFに差異があります。
  上記データは高安定の STP3091LF での起動時周波数変化の例です。
  時間経過により(E-8レベル→ E-9レベル→E-10レベルなど)時間経過に対する周波数変化の
  傾きが小さくなっていき安定度が増します。
  ラボなどで基準周波数として使用される場合には、1〜2週間ほど連続通電後に使用することをお勧めします。
  OCXOは熱発部品ですが 5年10年など連続通電しても耐久性の問題はありません。
  連続運用を開始した後は、そのまま連続通電して使用することを推奨します。

 

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(4) 起動時の消費電流について

起動〜1時間までの実測例@ 起動〜1時間までの実測例A(別サンプル)

上記の起動時の消費電流のデータは STP3091LF での常温時でのデータです。
起動時消費電流の流れる時間は機種により大きく変わり、小型のものは30秒などの短時間で定常電流に移行し、
STP3091LFのような大型のものは常温でも3〜4分ほど起動時電流が流れます。
起動時電流の流れる時間は周囲温度によっても変わり、周囲温度が高いと時間は短くなり
逆に温度が低い環境では起動時電流が流れる時間が長くなります。

 

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(5)周波数経時変化 について

 

こちらは STP3091LF の起動から 11日間までの周波数経時変化の実測例です。
STP3091LF など大型のOCXOは 1日当たりの 周波数経時変化 は 『1E-10 以内』
などの規格値となっています。
実力値は規格値よりかなり余裕のある値となっています。

 

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(6) 周波数の再現性について

再現性テスト@ 再現性テストA(別サンプル)


こちらは 同じく STP3091LF での、繰り返し電源オンオフ時の周波数再現性をテストしたデータです。
このテストでは 24時間の通電動作のあとで、24時間電源をオフとし、また24時間通電することを繰り返します。
(このテストでは6回繰り返しています)
通電している間に0.5時間/1.0時間/3.0時間/6.0時間/24時間 ごとに周波数を測定しています。
経年変化特性に優れているOCXOはこの周波数再現性にも優れています。

 

 

 

(7) 周波数温度特性

1回目測定( -20〜+70℃ ) 2回目測定 ( -20〜+70℃ )繰り返し

※こちらも同じく STP3091LF の周波数温度特性の測定データです。
 測定は恒温槽内にOCXOを収めて槽内の温度を変化させ30秒ごとなどで周波数を
 プロットし続けて測定を行います。
 細かくプロットすることで周波数ジャンプなどがある場合にも検出することが出来ます。
 上記テストでは +25℃から開始して、+25℃→+70℃→0℃→ -20℃ → +25℃ の温度テーブル
 を12時間かけて行っています。
 温度試験は時間がかかるため、事前のウォームアップが十分出ないと経時変化の影響も出てしまい、
 開始時の周波数と終了時の周波数に差が出てしまいます。上記テストでは開始時と終了時で 5E-11 程度の
 差が見えていますので、若干テスト前の通電時間が短かったようです。

 

 ※ 恒温槽内でOCXOの温度評価を行う場合には、恒温槽のファンの風が当たると正しい測定が出来ませんので
        通気孔のあるアルミケースなどに収めて風の影響を受けないようにして行います。

 

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(8) 位相ノイズ特性について

 

※OCXOの位相ノイズ特性はパッケージサイズ・機種等によって異なります。
 また測定前の通電時間も長いほど値が安定します。
 正しい測定には外乱ノイズのない安定した周囲環境と、ノイズの少ない電源が必要です。

 

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